私の世界で一番美しい疫病神
1章
非も続けば日常になる
高校生活は散々だった。
内気な性格が災いして、友達は2人だけ。
2人もいれば充分だろうと思う人もいるかもしれない。
けど実際は、私の喋りが下手なこともあり、高校3年間を私は2人の金魚のフンとして過ごした。
「この前の映画面白かったねー!」
「うんうん面白かった!また二人で行こうね~」
ああ、映画行ったんだね。私のことは誘ってくれなかったね。そんなやり取りが毎回私の目の前で行われる。
そして私は毎回、何も言えずに愛想笑いを浮かべるのだ。
心がズンと重くなって、悲しかったけど、仕方ないやと諦めの感情がいつも勝った。
だって、私が2人と上手にお話しできないからだし。私と映画に行ったって、気の効く会話はできないだろうし。
一緒にいて楽しくない子とは、休日まで関わりたくないだろう。
そう、私は世間一般で言う、コミ症というやつだった。
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