モアイ・ザ・ババリアンの涙
放課後
チャイムが鳴った。

でも、今はもう放課後だから、なんのチャイムだかわからないチャイムは、きかなくなった魔法のように、なんの拘束力もあたえはしない。

ただ、これから部活をしたりデートをしたり、今まで死んでいた目がいっせいに輝きだす時間になって、のそのそと学校をあとにする僕は、ひとり背徳信者か?

カエデの葉っぱ、揺れている。
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