僕のための 政略結婚
御曹司ゆえの苦悩

「真塩物産 副社長 真塩 怜殿 折り入ってお願いがあります。」

「 新島コーポレーションの 専務 新島 勝美くん 何ですか?」

勝美とは 付属の幼稚園から大学まで一緒の 幼馴染 境遇が 似ているから 悩む所も  似ている

こいつが こういう呼び方を する時は 簡単には引き下がらない時だ まあ要件の 予想はつく

お前さ はっきり言ってやってくれよ 貴子に "遊びだった"って

勝美の言葉に
「はぁ?! 関係ないでしょ 勝美には」

気付かなかった 勝美の従妹にも 僕は手をだしたらしく
そして その夜から 彼女の熱が まだ冷めないらしい

そんな事 言うなよ従妹の貴子に泣き付かれてさ
はっきりと言ってやってくれ"気が無い"って
そうしたら 貴子も 諦めて親の用意した 将来を保証された相手と結婚するだろうし

嫌だね!自分の気持ちは 自分で決着つけなきゃ 意味ないし だいたい 言い寄ってきたのは
君の従妹だったし それに 僕の事 じゃなくて  僕の周りの安定に惹かれ  足を開いたんじゃない?

バージンじゃなかったし  いきなり"貴方だけ"って  言われても イマイチピンと来ない

確かに それを言われると 俺も何の言えないしな・・・
群がってくる女は  大体が俺らの  地位や財力に  魅力を感じてる奴らばかりだしな  従妹の 貴子も 同類だったと 俺も認めるよ
まあ  女慣れしてる お前だしな  女が一方的に夢中になっても 恨まれること無いしな。

あれ? 随分とアッサリ 引き下がりますね

これでも 怜の親友で 味方だからね ここ一年の怜の行動 普通じゃない 全く女の影が無い!!
男としての能力を失ったのか それとも・・・・

何だそれ?? 僕は 至って健康体ですよ?! "それとも"って 同性愛に目覚めたとでも?

まあ その内 俺に相談にくるでしょうね 待ってますから
あぁ 今夜のパーティーに
貴子が来ますから よろしくお願いします。

勝美は それだけ言うと 帰ってしまった。
チェッ! やっぱり 引き下がって 無いし!!
いつも 勝美の方が 一枚上手だ。

大学を卒業する時 お互い親の会社に入るけど  何か新しいプロジェクトを立ち上げて成功させて  会社の古狸たちに
「"お気楽お坊ちゃま"なんて言わせない様に 頑張ろうぜ」 と目標を 立ててくれたのも 勝美だ 今は感謝している  仕事にはやりがいを 感じてるし  重役どもの 古狸たちからも 表立って 嫌味は 聞こえてこない  お陰で ひとつストレスが 減った。

僕は 幼児教育に目を付けて 幼児教室の運営を始めた。

勝美は 自社の 輸入ルートを 使って 動物の販売部門を立ち上げた。

記念にと 突然 雌のハムスターをプレゼントされてた。

だが 困ったもの 最初だけで・・・ 可愛い 実に 可愛い

いつでも 僕の帰りを 嬉しそうに 待っている。

癒される これを アニマルセラピーと言うんだろうな  悔しいが 情けないが うちの子"花"には 完敗だ 今までこの僕が 女に跪くなんてありえない行動・・・が
気づけば メスの 花に 跪いていた
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