そろそろ、恋始めませんか？～優しい元カレと社内恋愛～

予想外の再会

A.M.7:00

いつものように、1時間早くにオフィスに着くように家を出る。



山下公園、中華街にみなとみらい地区に向かって、急な坂を降りていく。

休日にふらっと観光に来て、この辺りをバスで回っていると気がつかないけど、横浜の街は坂が多い。というか坂ばかりだ。

関東平野の端っこの、平らな大地からやって来た私としては、この異様に坂の多い街に住むことは、とても骨が折れる。


働きだしてから、直ぐに電動自転車を買った。
ママチャリみたいなんじゃなくて、タイヤの小さな、持ち運びが楽なやつ…


『優人、私電動ママチャリでいい。カゴも大きいし。その方が安いし。優人が勧めるやつって２０インチの小さいタイヤでしょ、子供の自転車みたい…』


『どうせ、カゴにたくさん入るからとか、下らない理由で決めんなよ。亜湖は力がないから、車体が軽い方が扱いやすいって』


そう言われて、買ったんだっけ…
言う通りにして正解だった。

街中を走るには、小さくて軽いのが一番だ。


彼に関わりのあったものに触れたりすると、今でも、ふと思い出す。



３年も経ったのに。