四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
一枚目
親愛なる、そして尊敬する四門メグ様。

随分寒くなってきましたね。

ついこの間まで赤く色づいていた紅葉も、今ではすっかり枯れ果てて北風に舞い落ちています。




ご無沙汰しています。

というか、初めて鴉の使い魔に手紙を運ばせたので、上手くメグさんの手元にこの手紙が届いたかどうか不安です。

私の事、覚えてらっしゃいますか?

デッドゲイト家の遠縁、天羽家の三女、桜花です。

まだ子供の頃に、メグさんに魔術の基礎を教えていただきましたよね。

数百年前に日本に渡り、すっかり本家のデッドゲイト家と交流の途絶えた落ちぶれた分家の天羽に親切にして頂いて、家族一同今でもとても感謝しています。

長女の蘭花(らんか)、次女の菊花(きっか)も魔女として自立し、今はそれぞれ独り立ちしています。

そして、私も今年二十歳になりました。

ようやく魔術の修行も一通り終了し、何とか一人前の魔女として両親に認めてもらえるようになりました。



< 1 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop