四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
三枚目
メグさんは呆れますか?

その人狼の傷を、治癒魔術で癒してあげた、なんて言ったら。

…自分でも馬鹿みたいだって思います。

自分で傷つけておきながら、また傷を癒してあげるなんて。

ましてや相手は私を食べようとした魔物です。

普通なら見殺しにして当然なのかもしれません。

でも…。

この人狼は私の目的だった、御影市の猟奇殺人事件の犯人ではありませんでした。

つまり私は人違いで彼を傷つけてしまったんです。

…何だか…そんなの釈然としません。

だから。

「…こいつは驚いた」

その人狼も意識を取り戻した時は、目を丸くしていました。

公園のベンチに寝かされていた彼は、ゆっくりと体を起こして私の方を見ます。

「お嬢ちゃん、何で俺の傷を癒した?」

「……」

私はさっき言ったとおりの説明を彼にもします。

「ハッ」

人狼は一笑に付しました。

「お嬢ちゃんそれでも魔女か?そんな甘ったりぃ事言ってると、機を見てほんとに頂いちまうぜ?」

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