四門メグへの手紙~魔女の瞳番外編~
四枚目
翌日の夜。

私は新聞片手に昨夜の公園へと行きました。

「よぅお嬢ちゃん。いい夜だな」

ベンチに腰掛け、鼻歌混じりに私を待っていたジルコー。

そんな彼に。

「……」

私は無言で新聞を差し出しました。

「ん?」

「その記事、読んでみて」

私が指差した記事。

それは昨夜、またも猟奇殺人事件の被害者が出たと報じるものでした。

左腕と、右の足首。

それ以外は発見されなかったそうです。

腕と足だけが、人通りの少ない路上に…恐らくは食べ残されていたという事でした。

「悔しい…昨夜私とジルコーがここで話している間に、犯人は人間を襲っていたんだわ…」

その事に気づけなかった自分が不甲斐なくて、私は唇を噛みました。

「……」

ジルコーは無言のまま新聞記事に目を通していましたが。

「成程な」

小さく呟いて薄笑みを浮かべました。

何が成程なんでしょう。

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