はじまりはミステイク
❤︎どっちつかずな乙女心



「同時に私の綱引きのことも忘れてたんだね」


「い、一華ちゃんごめん!そんなつもりは」


「いいよ。なんとか仲直り?したみたいだし」


一華ちゃんの言葉に大きく頷く。綱引きは青団は負けてしまった、とのことだ。


「それに写真取れてよかったじゃん」


「へへ、なんか嬉しいんだよね〜。それにほら、藤山の体操服借りちゃった」


ちょっと大きめの藤山の体操服。左胸に『藤山』の文字。その文字を見るだけで……口角が上がっている自分がいる。


「お似合いじゃん」


「え!?私にはこの体操服大きいと思うんだけどっ」


ヤバイ、夏休み太ったかな!?


「いや、そういう意味じゃないんだけど……まぁいっか」


一華ちゃんが呟いたけど、深く考えず太ってしまったことしか頭にはなかった。


「あ、圭吾くんが出てる」


「本当だっ。見なくては!」


圭吾くんは、ムカデ競争に出ていた。5人組の先頭にいる彼は、スタートするもすぐに転けて立ち上がってもまたみんなで転けて。次の走者につなぐ時には校庭の砂だらけになっていた。



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