結婚も2度目だからこそ!
トイレは明るく清潔感があって、使いやすい。
まるでデパートのトイレのようだと感心してしまう。

前に働いていた職場では、トイレも自分たちで掃除しなければならず、人によって掃除の仕方がまちまちで、たまにトイレットペーパーが補充されてなくて、大変な思いをしたものだ。

大企業ってのはこういった細かな部分も気を遣って、少しでも仕事しやすい環境を作っているんだなと、感心する。

便座に座り、ふう、と息を吐く。

午前中は一息つく暇もないくらい忙しかった。
でもそのお陰で嫌なことを思い出さずに済む。

やっぱりすぐに仕事を決めて良かったと思った。

当分、恋はお休み。
今は仕事だけに集中して過ごしていこう。



スッキリして手をハンカチで拭きながらトイレを出る。

窓の外のビル群を眺めながら、ゆっくりと戻ろうとした時、後ろから声を掛けられた。



「――久し振り」


その声は、いつかどこかで聞いたことのある声だった。
少し低めの、透き通った声。

だけど、すぐに誰なのか頭に浮かばない。


私は後ろを振り返った。


そこには朝、大きく目を見開いて私を見ていたあの男性社員が、そこにいた。

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