ウサギの王子に見初められ。
おかえりなさい、三上くん

「とりあえずグループに入れとくから、よろしくな」

マネージャーは断ったはずなのに、会社で沢田さんが当たり前のように話しかけてくる。スマホでの連絡網に入れられてしまったらしい。

「断りましたよね、私」

「いや、マネージャーじゃなくてプレーヤーでもいいから。気が向いたらでいいし。俺、反省してるんだよね。少年サッカーやってて中高マネージャーなんてさぁ、植木のサッカー愛は俺並みだよな。変に男狙いじゃないし、いやぁ貴重な人材だよ、きみ」

沢田さんは基本熱い、というかしつこい。サッカーの話になると止まらない。というわけで断り切れなかった。

まあいいか、LINEぐらい。三上くんにもまた行くねって言っちゃったし、行った先で応急処置とかするぐらいなんてことない。




三上くんが心配して、夜に電話をくれた。沢田さんが強引だけどマネージャーは断ったから大丈夫って話したら、ため息をついていた。

責任を感じてくれているようだけど、フットサル本当に面白かったからまた見たいし、また誘ってねって言っておく。

ごはん食べに行こうよとか言ってくれなくなったけど、気にしてくれたり誘ってくれるなら別に嫌われたり傷つけたりしたわけじゃないんだよね?
< 46 / 67 >

この作品をシェア

pagetop