メガネ男子と同居中
メガネ男子は嫌な人
【莉子 side】



「おねがーい!莉子がいないと盛り上がらないの〜〜!」


放課後、同じグループの優子が顔の前で両手をパチンと合わせてそういう。




「もー仕方ないな〜〜♪」


私は栗色のふわふわロングヘアを耳にかけてそういう。



「やったー!ありがとう莉子!向こうの男子も喜ぶよ〜〜かわいい莉子が来てくれて!」


「そんなことないって〜〜」


私を見れば、道行く男の子は振り向くし、女の子は私のようになりたがる。


だから今回のように誘いを受けることは毎日のようにあるのだ。


この容姿に産んでくれたことはパパやママに感謝。



今日も朝からいい気分♪



「水谷。今日、お前が日直」

いい気分に浸っていたら嫌いな声が私を呼んだ。



「え〜〜〜〜」

担任の川崎に教卓からそう言われて、あからさまに嫌がる。


「水谷さん、俺が代わりにやろうか?」


「え、いいのー?」


隣の席の男子の言葉に甘えようとする。


「うん。どうせ暇だし…」


「じゃあ、お願いしようか─────」


「みーずーたーに!お前この間も他のやつにさせてたろ!今回は自分でやれ!」

川崎の声が響く。


「はぁーーい」

私はしぶしぶ立ち上がり、川崎についていく。



担任の川崎だけは、私に冷たい。


「やってくれるっていうからいいじゃん」


教室を出てから、川崎に反抗的にそういう。



「アホ!ちょーっとチヤホヤされて調子に乗んな!この間のテスト、今までで最高に悪かったぞ」


「うぅ…」


勉強と料理ができないことが私の弱点だ。



私は川崎に頼まれて、授業で使った歴史の本を図書室に返しに向かった。



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