飛べない翼
鬱陶しい担当医

沙羅said

新米が私の担当医になってから早一週間。


その一週間の間、私はとても荒んでいた。


「調子はどうですか? さっちゃん?」


新米はカウンセリングの時間以外も度々私の病室にやって来てはしきりに話しかけてきた。


「好きなモノは何ですか?」
「ない」


「嫌いなモノは何ですか?」
「新米カウンセラー」


「欲しいものはありますか?」
「静かな場所」
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