飛べない翼
ひ弱な担当医

沙羅said

ーーカラカラカラ……。


小さな音を立てて、私は車椅子を動かした。


向かっているのは中庭。


人気のない場所だ。


そして、この病棟で自室以外での唯一の落ち着ける場所。


そこに向かうのは、もう習慣のようになってきていた。


「おや、さっちゃんじゃないですか。また中庭ですか? 僕も付いていきましょう」
< 39 / 79 >

この作品をシェア

pagetop