地味男の豹変〜隠された甘いマスク〜
これって……



昨日、山岡主任との関係を終わらせた。


私にとってこの三年間は幸せだと思える時間は少なかったけど、それでも"幸せ"って感じた時間は確かにあった。


最終的には彼に騙されていたけど、本当に愛していた。


沢山泣いた後に陽と食事を食べに行って家まで送ってもらい、陽は自分の家に帰ったけど、一人で居ても涙は出なかった。


あまり考えてしまうと明日からは仕事だし、山岡主任ら出張で暫くは顔を見なくて済むけど、同じ職場で働く以上は顔を合わせる訳だし、いつまでも引きずってしまうと仕事に集中できなくなってしまう。


暫くは仕事に集中して、山岡主任との三年間を忘れるしかない。


私は用意を済ませて、凪にラインで山岡主任と別れた事を告げて会社に向かった。


会社に着いて暫くすると山梨さんがやってきた。


いつものテンションで挨拶をしていたが、私の顔を見るなりテンションの下った声で気まずそうに挨拶をし、直に目を逸らして自分の机に向かった。


昨日の今日だし、あれから山岡主任とどうしたのかは知らないけと、山岡主任の事だから山梨さんとはもう上司と部下の関係に戻ったと私に言ったけど、あれは嘘だと思う。


私を上手く口で言いくるめようとしたし、山梨さんとは関係を切った訳ではないだろう。


だけどまだ少しだけ胸が痛むけど、いつかこの胸の痛みも消える日がくるよね?


自分の机に座り、そんな事を考えていたら朝礼の時間になり、仕事モードに切り替えた。




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