さようなら、きんいろ。

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テーブルいっぱいにところ狭しと並べられた料理の乗ったお皿。

それらを囲むように座って、晩ごはんを口に運んでいるのはきょうちゃん一家とあたしだけじゃない。



まさかの隣には都。

そしてきょうちゃんが彼女を連れて帰ったと聞きつけた近所のみんな。



全員じゃないけど、田舎ってやつは情報が知れ渡るのがはやい。

そのうえ親しいから押しかけてくるという、なんとも言えない状況だ。



もちろん、その中にはあたしのお母さんも紛れている。



「恭介がこがん可愛いか彼女ば連れて来ってねぇ」

「こん幸せ者が」



島の子どもをまるで自分の子どものように可愛がってくれるみんなだから、盛り上がりようがすごい。

歓迎する雰囲気で、あたしは少しも馴染めない。

みんなに話しかけられる都の方がよっぽどここにいて不自然じゃない。



おばちゃんのお手製コロッケはじゃがいもがほくほくとしていて、すごく美味しい。

なのになんだか今日は、いつもより味気ないような気がする。



他のおかずも口に運びながら、ただ黙々と咀嚼した。






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