ノラネコだって、夢くらいみる

甘く切なく

 タクシーを降りていちるのマンションに入る。

 なぜか、いちるの家に私まで連れてこられた。多分、逢阪はさっさとここで休みたかったのだろう。

「お疲れさまです、社長」

 いちるはシャワーを浴びた直後って感じで、髪が濡れていた。

 そして………上を着ていなくって、目のやり場に困った。

「俺も汗流したいなー」

 やっぱりか。ここで仮眠とる気満々だな、おい。

「どうぞ」

「助かる」

 そう言うと、逢阪は奥の扉をあけて行ってしまった。

 自由人め。
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