夫婦・・として

☆☆近づくのが怖い


「あっ、神原先生は
瞳子さんに、気持ち伝えたこと
あるのですか?」
と、結斗。
「あ~、あるけど
冗談にしか、とられてないかな。」
と、仁。
「ママは、鈍感だからね。」
と、鈴華が言うと
仁も結斗も、納得しながら
笑っていた。

和やかな中、暁斗だけが
何か上の空だった

「父さん、どうしたの?」
「あっ、嫌、どうもしない。
じゃ、結斗、父さん帰るな。
神原先生、お願いします。
鈴華ちゃん、また。」
と、言って病室を後にした。


病室を出て暁斗は・・・・
神原先生といい
お見合いといい
なぜ、彼女が(瞳子さん)かかわると
こんなにモヤモヤしたり
イライラしたり
するんだろう。

亜紀を亡くして、一年。
亜紀が、自分の中から
消えていきそうで
たまらなかった。

帰る途中、彼女が白衣を翻して
病室に入って行くのが
みえた。

俺は、足を止めそうになるのを
無理矢理動かして
その場を離れた。

彼女に近づくのが
恐い気持ちもあった。
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