夫婦・・として

☆☆お礼


次の日、結斗は結斗が助けた女の子と
その子の両親に会って
退院することを話した。

両親からは、恥ずかしくなるぐらい
お礼を言われた。

そんな俺を
親父は、黙って見ていた。

今日は、瞳子さんではなく
神原先生に抜糸をされて
退院したから
親父は、瞳子さんに会えなかった。

「父さん、残念だったね。
明日、会えるから
俺で我慢して。」
と、言うと
「なっ、バカな。
おまえで、結斗でいいんだ。」
と、言われて
なんだか、二人で照れた。

俺が入院中に
親父のじいちゃん、ばあちゃんも
心配して来てくれて
親父が、俺の病室にいることに
驚きながら喜んでくれた。

まあ、親父は、勝手に退院したり
したことを
叱られていたが、それは仕方ない。


その夜、鈴華から
「明日は、18時にきてね。」
と、言われたから
親父にも伝えた。




そんな事、知らない仁は
「瞳子、明日飯食いに行かないか?」
と、瞳子を誘ったが
「ごめん、明日は予定があるから
また、今度にして。」
と、言った。
「そうか、何かあるんだな。
じゃ、また今度にする。
少し、話したい事もあるから。」
「えっ、話し?今、聞こうか?」
「いや、いい。
次回に、きちんと話すから。」
「そう?わかったわ。」
と、話した。




この時、気持ちだけでも
瞳子に伝えていたら
良かったのだろうか·····と
仁は思う事になる。
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