夫婦・・として

☆☆この場で


すると、仁は、
「待って、瞳子!佐原さんと
付き合うことにしたのか?」
「うん、もう一度
恋愛できると思える人に
出会えたの。
仁も綺麗人が、ちゃんといるんじゃない。
幸せになってよ。」
と、言った。
「この人は、そんな関係の人じゃない。
俺は・・俺は・・」

仁が、何かをいいかけた時
「神原先生、やめませんか?
ここで、話す事ではないように
思います。
また、日を改めて
瞳子とは、話してください。
お連れの方も、悲しい顔されてます。」
と、言うと
仁は、佳純を見て
びっくりした顔をした。
「申し訳ありません。
佐原さん、ありがとうございます。
瞳子もすまない。」
と、言って
彼女の背に手を添えて
その場を後にした。

瞳子は、
「暁斗さん、ありがとう。
でも、どうしたんだろう?仁は。」
と、言うから
「鈴華ちゃんが、言う通りだな。」
「えっ、鈴華がなに?」
「ママは、鈍感だって。」
「うそ、何が?」
「まあ、いいや。
     おいおいね。」
「えっ、なんなの?暁斗さんてば。」
「はら、行くよ。
今日は、僕とデートだろ?」
と、瞳子の腰を引き寄せて
おでこにチュッとした。
瞳子は、真っ赤になりながら
「もぅ、外だよ。暁斗さん!」
「じゃ、外じゃなかったら
        いいの?」
と、暁斗は瞳子の耳元で
ささやいた。
「なっ、知らない。」
と、瞳子はその場を離れた。

暁斗は、笑いながら
追いかけて、瞳子の手をとり
再び繋いだ。
身長も190センチある暁斗の歩幅には
勝ち目はなく
瞳子だって170センチはあるのに
直ぐに追い付いて手をとられた。
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