夫婦・・として

☆☆神原 仁


あの日、公園で瞳子にあってから
二年が過ぎて俺達も40才を過ぎた。

瞳子とは、あれから何度も
話しあったが、瞳子が俺に
気持ちを寄せることはない。

『仁は、いつまでたっても
私と忠臣の親友で友人。
恋とか愛とかに
発展することは、ありえない。』
と、ハッキリ言われて
俺も、今ではすっきりしている。

なんどか、
『わからないだろう』
と反発したが、
『ないから!』
と、一喝された。

いまでは、あのときの
城之内 佳純さんと
結婚をしている。
式には、正臣さんも瞳子
鈴華も来てくれた。

佳純は、お嬢様育ちだが
家事もきちんとしてくれて
外科の俺は、中々
ゆっくりする暇もないが
愚痴も言わずに尽くしてくれて
感謝している。

瞳子とも仲良しで
よく、遊びに行ってるようだ。

いまは、佳純が妊娠中で
相談もしているみたいだ。

そんな佳純の誕生日に
瞳子に頼んで
プレゼントを買いに出掛けたら
思わぬ人にあった。

鈴華の彼氏の結斗君の父親だ。

佐原さんは、女性の人と来ていて
俺達も気づいたが、
佐原さんも気づいた。

瞳子は、淡々と佳純のプレゼントを
決めて、
「仁、帰るわよ。」
と、言った。

佐原さんは、何か言いかけたが
「どうされたのですか?佐原さん?」
と、女性に言われて
「あっ、嫌。」
と、言っていた。

俺は、店を出てから
「良かったのか、瞳子?」
と、訊いたが
「良かったんじゃないの?
良い人が出来たみたいで。
私とは、縁がなかったのでしょう。」
と、言って
「ほら、帰るよ。
佳純ちゃん、待ってるから。」
と、言った。
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