夫婦・・として
8話

☆☆間違えたらぶん殴るから


暁斗は、瞳子の前で跪き
「生島 瞳子さん。
私と結婚してください。
必ず幸せにします。」
と、暁斗は言った。
「えっ、佐原さん?」
と、瞳子は、どう答えていいのか
わからなかった。

すると、結斗が
「瞳子さん、俺も知らなかったんだけど
親父は、あの時、瞳子さんに別れを
告げられた次の日から
ずっと、カウンセリングを
受けていたらしい。
それに二年かかったみたい。
何度も挫折しそうになったらしい
でも、完治の診断をもらったんだ。」
「えっ、ウソ、あれからずっと?」
と、瞳子が言うと

暁斗は、頷いた。

「でも、佐原さんは、あの日
きれいな人とジュエリーショップで
指輪を買っていたから・・
あの方と、結婚するのだと
思っていました。」
「佐原さんか‥‥‥
ああ‥‥
あの方はカウンセリングの先生
なんだ。

俺は、ジュエリーショップに
一人で行ったことがないから。
治療開始の時に治ったら
一緒に行って欲しいと
お願いしていたんだ。」

「えっ、そう?そう、だったの?」
と、瞳子。

「ママが、仁さんといて
間に合わなかったと、
愕然としていたんだって!!
結斗パパは。」
と、鈴華。
「仁は、佳純ちゃんの。」
と、瞳子。
「そうだけど、結斗パパは、
仁さんが結婚したのは、
知らないから。」
と、鈴華が言うと

「瞳子、もうダメか?
亜紀と間違えた俺では嫌か?
俺は、本当に
亜紀と瞳子を比較したことは
一度もないんだ。
亜紀には、申し訳ないが
瞳子と出会ってから
瞳子に夢中で
亜紀の影は薄れてしまっていたんだ。
だが、瞳子を傷つけてしまい
もう、恋愛もできないと
思わせてしまったことは
本当にすまなかった、
と、思っているんだ。」
と、言った。

瞳子は、涙が溢れていた。

黙る、瞳子に暁斗は‥‥

「‥‥‥‥‥瞳子?」

「‥‥‥‥‥こんっ····今度間違えたら····
ぶん殴る。
そして‥‥‥家出するから
それでも‥‥私を····愛してくれる····?」
「ああ‥‥ああ‥‥
いつまでも‥‥いつまでも
変わらず、ずっと愛すよ。」
と、言いながら

瞳子をそっと、抱き締めた。
瞳子も暁斗を抱き締め返した。

そんな二人を
結斗も鈴華も涙を流しながら
見守ってくれていた。
< 45 / 53 >

この作品をシェア

pagetop