夫婦・・として
3話

☆☆生きた心地


病院に着くと
瞳子さんが、男性の先生と
看護師さんといた。

「結斗君、びっくりしたよ。」
「瞳子さん、すみません。」
「すぐ、診るからね。仁、頼むわね。」
と、瞳子さんが、男性に言うと
「はいはい、鈴華の彼氏さんだからね。」
と、その人は言った。
「あっ、僕は外科の神原です。
瞳子と忠臣の同期の外科の医者です。」
と、言われたから
「佐原 結斗と、言います。」
と、挨拶した。

神原先生は、頷いてから
救急外来へと俺を運んだ。

頭の方は、問題なかった。
ただ、バイクのどこの部分かに
当たったらしく
切れていて、七針縫った。
手首は、骨折していて
固定をされた。

俺は、瞳子さん担当の小児科病棟に
入院することに。
瞳子さんが、そうすると言ったらしい。

目を覚ますと
鈴華が、大きな瞳に涙をためて
俺をみていた。
「‥‥ごめん、心配かけて。」
「もう、ママから連絡もらって
生きた心地しなかったんだから!!
でも、聞いたよ。
女の子、かばったんだね。
二人とも、何もなくて良かった。」
と、鈴華が言うと

「はい、はい、ラブシーンは
後からね。
結斗君、大丈夫かな?
頭の方は、また詳しく検査するからね。」
と、神原先生。
「はい、ありがとうございます。」
と、俺。
「仁さん、ラブシーンとか
言わないからね、まったく
オヤジなんだから」
と、鈴華。
「仁、ありがとう。
二、三日は、ここに置くから
お願いね。
あっ、結斗君、お父さんには
連絡したけど、繋がらなかったから
伝言いれたけど良かった?」
と、瞳子さん。
「すみません、ご迷惑かけて。
ああ、でも多分、来ませんよ。
俺の事なんか、
なんとも思っていないから親父は。」
と、俺は言った。
「あっ、所で神原先生は、
鈴華のお父さんや瞳子さんの
知り合いなんですか?」
と、俺が訊ねると
「仁さんは、パパの親友で
パパとママの同期なの。
それに、ママをパパと
取り合ったんだよ。」
と、鈴華。
「そう、アプローチ今も
してるけど、落ちないんだよ。
瞳子は。」
と、神原先生。
「仁、ふざけてないで
外科に戻りなさいよ
あっ、ありがとうね、
結斗君を診てくれて。」
と、言うと
神原先生は、
「はい、はい。
姫のためなら、何なりと。
では、仕事に戻ります。
またね、結斗君。
鈴華も、又な。」
と、言って
先生は、病室から出て行った。
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