SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし
「「「 ヒッ、ヒィッ!!」」」
複数の白衣の者たちが逃げるように走り去る。
「……くそッ!」
「 化け物がッ!」
尋常ではない事態に、カイドウとコブは固唾をのんだ。
コブがそばかすだらけの顔を歪め、短い両手を振り上げる。
コブは風を操る能力の持ち主であった。
「くたばりやがれッ!」
コブは両手を振り下ろす。
空間が一瞬グニャリと歪み、鋭く尖った空気の刃が次々と少女に向かっていく……