SignⅠ〜天狗のしるしと世界とあたし


「あ゛~もう、悪かったよ。でもっ、」


少年はキッと上を向く。


「……いや、その前に。ちょっと説明させて? こいつ、全然分かってないみたいだから 」


少年があたしに向き直る。


「んじゃ~、まずは自己紹介な! オレは大仙(だいせん)の伯耆坊(ほうきぼう)! この山に住む天狗だ!」


声を高らかに自己紹介をしてきた。


……? ……え、


“天狗” という、あまりに突拍子もない言葉に、思わず張っていた肩の力がぬけてしまう。


「 んで、こいつらも天狗! 仲間だ!」


「…………」


……?


……なに、が……
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