「あら、今日もいい天気ね 」


栗色の髪を揺らし、白衣を着た若い女、真中(まなか)ユリがカラカラと窓を開ける。


うららかな春の陽射しとともに、たちまち部屋に新鮮な空気が流れ込んだ。



「 今日の気分はどう?」


そう言うと、ユリはあたしに笑顔を向ける。


大きなエクボと、目元のホクロが印象的だ。



「 あ~。いいよ、すごく 」


ハンドグリッパーを握り締めながら、あたしはユリに答える。


だいぶ、言葉は出てくるようになっていた。


説明、とかは苦手で、どうしてもチグハグな言葉になるんだけど……




「 そう?じゃあ、ここに座って?」


あたしは鏡の前に腰掛ける。



「 ふふ。うしろ、はねてるわよ 」


そう言うと、ユリはあたしの髪の毛をブラシで丁寧にとかしてゆく。


鎖骨まで伸びた髪には、ゆるいウエーブがかかっていた。


・・・しかし、


なんの科学変化だろう。


髪の色が“銀" なのだ。


もとは、黒髪だったはずなのに……


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