それを愛だというのなら


「おお。広瀬の弁当、ばあさんみたい。もっと食えよ。お前痩せすぎだぞ」


偶然後ろを通りかかった男子が、そう言って茶化していく。

反論する気も起きなくて流していると、左隣に座るヒトミが口を開いた。


「バカなの?余計なこと言わないで」


ああ……ありがたいけど、スルーしてくれればいいから。


「は?俺なんか悪いこと言った?」

「瑞穂のお弁当が小さいのは、病気だからでしょっ。いっぱい食べたくても、食べられないのっ」


ヒトミはそのボブヘアに包まれた顔に正義感をみなぎらせ、男子に食ってかかった。


「ヒトミ、もういいよ」


お願いだから、正義感振り回すのやめて。

庇われると、余計に惨めだから。

男子はバツの悪そうな顔をしながらも謝ることなく友達の近くに行き、何事かぼそぼそと話をしていた。


「あいつ、今年初めて同じクラスになったから知らなかったんだよ」


サツキがフォローするように言う。


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