彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)
◆糖度高め!!恋愛の神様は、鬼・魔・愚・零(きまぐれ)!?


どこかの映画のキャッチフレーズみたいだけど、私は地獄から帰ってきた。



「大丈夫か、凛?」

「あうう・・・!大丈夫です・・・!」



少し前まで地獄だったけど、今は天国!






(極楽よぉ~♪)




なぜなら、目の前に瑞希お兄ちゃんがいるから♪!!

心配そうに私を見つめる顔がたまりませ-ん!!

独り占めしてる視線もだけど~





「瑞希、クッションはどうした?」

「皇助が引き裂いた。」

「だからといって、お前が凛道に『膝枕』をしてやるほどか?」



タオルで頭を拭きながら、聞いてくる獅子島さんに瑞希お兄ちゃんため息まじりに答える。




「しゃーねぇーだろう?酔っちまってんだから、頭を高くして寝かせねぇと!」

「ふん、わざわざ膝にタオルを敷き、その上に凛道の頭を乗せた上で、凛道の髪についた汚れまで取ってやるとは・・・・どこまで愛情が深いのやら・・・」

(そーなんですっ!!)




謎の相手とのカーチェース後、帰宅した私と獅子島さんを待っていたのは~~~!




(瑞希お兄ちゃんからのご褒美(?)の膝枕~~~♪!!!)



あ、そういっても、膝枕を受けてるのは私だけだけよ!



〔★言わなくてもわかる★〕






話はさかのぼること、数十分前。

獅子島さんの車から自宅兼店舗が見えた時点で、瑞希お兄ちゃんの姿は確認できた。

外で待っていた彼は、車が止まるか止まらないかで私のいる助手席へと駆け寄ってきてくれた。




「大丈夫だったか、凛!?」

「瑞希お兄ちゃん!!」




凛々しい目が、一途に私を見ながら聞く。




「無事でよかった!」

「瑞希お兄ちゃ~ん!」



そんなあなたに耐えきれなくて、乱暴にシートベルトをはずして降りる。

車が止まり切らないうちに、飛び降りて、瑞希お兄ちゃんへと飛びつく。

ケチャップとシェークまじりの汚い私を、ためらうことなく、瑞希お兄ちゃんは抱きしめてくれた。

お叱りと共に。



「コラ、凛!心配したんだぞ!?オメーが電話で『愛してます』とか言うから!遺言みたいな言い方しやがって!あんまりたちの悪い冗談は言うなよ!?」

「ええ、冗談では言いません・・・・!」



〔★冗談ではないから、タチが悪い★〕


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