彼は高嶺のヤンキー様3(元ヤン)




「そういう感じで、ヤマちゃんの部屋は人が死んだとわからないような入れ替わりが続き~よそ者であるヤマちゃんでは見分けがつかない物件になったのでした~」

「ごめんヤマト!僕は、決めつけていました・・・!」

〈気にせんでええって!わしも値段で決めたのが悪かった!安かったからのぉ~〉

「そんなに安かったんですか?」

〈せやねん!まさか、こんな都心でこのお値段とは~〉

「へぇ~敷金・礼金込みでいくらですか?」

〈ただや!〉

「は?」

〈せやから~タ・ダ、やねん!無料な上に、一か月無事に住めたら、3年いてもええって言われてのぉ~!安さに目がくらんでしもーたわ!うはははは!〉



「くらみ過ぎだよ馬鹿野郎―!!普通、タダって言われたら疑うでしょう!?」





〔★タダより怖いものはない★〕





「そこを契約しちゃうヤマトが心配なんでけど!?」

〈うははは!照れるのぉ~怖いもの知らずやなんて、褒めんといてー!〉

「そうだけど、僕は怒ってるんです!!」

〈うははは!それだけじゃないでぇ~!なんと昔!このマンションがあった場所は~〉

「なにがあったの!?」

「ハイハーイ♪時間切れだよ、凛たん♪携帯がボッシュ~とでーす♪」

「あ!?」





パッと私から携帯を取り上げると、ピッ!電源を切る烈司さん。





〔★情報が遮断された★〕



「じゃ、すっきりしたところでお祓いしようなぁ~凛たん♪」

「どこがですか!?最後の最後で、明らかに重大な『何か』を聞かせなかったでしょう!?」

「瑞希。」

「凛、世の中には知らない方が良いこともあるっ!」

「あう!?」





そう言いながら背後から思いっきり抱きしめられたので~






「はい!知らないでおきまーす!」

「烈司!俺がしっかり抱きしめてるうちに、早く凛のお祓いをー!」

「こういう流れでお祓いするのも、なんだかなぁ~・・・」





ウキウキしながら言う私と、真顔で言う瑞希お兄ちゃんに、生暖かい笑顔になる烈司さん。

その後、お祓いしてもらったおかげで、瑞希お兄ちゃんがいつもより優しくしてくれた。



〔★お祓いは関係ない★〕





~南無阿弥陀仏!度胸試し(!?)もほどほどに!!~完~




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