リアルな恋は落ち着かない
4.
秋の訪れを感じさせる、涼しい朝の日曜日。

空はすっきり晴れていて、窓から差し込む陽の光が気持ちよかった。


(ついに日曜になってしまった・・・)


五十嵐くんとのデートの日。

私はとても緊張していた。


(これでいいと思うけど・・・大丈夫かな)


昨日は一日家にこもって、「あーでもないこーでもない」と着て行く服に悩みまくった。

「デート」と言われても恋人ではないし、彼は単に「観察」したいだけかもしれないし、私だって乗り気で行くわけじゃない。

けれど心は矛盾するもので、せっかくならかわいいと思ってもらいたいと、へんな乙女心が顔を出し、私をとても悩ませた。

そして選んだふんわりとした袖の白いニットに、ミディアム丈の紺と白のチェックのスカート。

OLのコスプレ服として私がよく利用する、洋服屋さんで買ったものだ。


(店員のお姉さんが、『これならデートもOKですよ~』って確か言っていたもんね)


これに紺色のパンプスを合わせれば、デートっぽくて多分それなりに見えるはず。

思わずメイクも丁寧にして、ロングヘア―も下ろしてきちんと整えた。


(・・・よし、もうちょっとで10時になる・・・)


壁掛け時計をチラリと確認。

そして大きく深呼吸をすると、私はマンションの外に出て行った。








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