狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
5 甘く囁く下心
早い。

だから早いって。

展開が早すぎて、付いていけな~~い‼

大神さんに殆ど支えられるようにして、
『303号室』
のシングルルームにヨロけながら雪崩れ込んだ。

その間、店から約15分。

未だに私は、生まれたての小鹿のようにガクガクな膝に、マッタク力が入らない。

その様子を見下ろしながら、時折彼は満足げにウンウンと頷いている。

そうか……
コヤツ、これを狙って私にお酒をガンガンに注いでたんだ。
その上正気を取り戻す時間まで与えないつもり。
なんて悪いヤツ、確信犯だ。

ううう、悔しいよう。
分かっちゃいるのに……


今。心の中では、天使と悪魔が一大バトル中、むろん天使は劣勢だ。

まず、35%の理性(天使)の声。
ダメだよ燈子。カルすぎるって。
毎日斜め向かいで顔会わせる人とそんな×××…
明日からどんな顔して過ごせばいいの?
一生弱味を握られちゃうョ?

新人の、それも直属の部下を酔わせてどうこうしようだなんて。
昼間見たまんまの、不誠実キワマリナイ男じゃないか。
 
早く目を覚ましなサーイ‼‼
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