狼上司の不条理な求愛 -Get addicted to my love-
9 2次会禁止
夏がきた。

うだるような暑さの中で
ミンミンゼミばかりが、恋に焦がれて鳴いています。

毎日のように更新される記録的猛暑日に、お隣のグループから
“やってやれるかぁ!”
の一言で、納涼会の開催が決まった。
 
社会人2年目、大神課長から宴会部長を仰せつかった私は、もう1人を連れて一足先に会場準備に来ていた。


「ちょっとさあ、座敷狭くね?ウチの課、デカイ奴が多いからさ」
「ウーン、やっぱビアホールにしとくべきだったですかね~」

腕組みをした彼は、同じグループで向かいの席の三上孟(みかみたけし)さん。

三上さんは3期上の男性で、この春に仙台支社から転勤してきた。
物腰柔らかで、仕事もソツなくこなす心強いセンパイだ。
 
「まあ、なるべく広くとってもらうしかないか。ちょっと店員サ~~ン」
 
その上、中々のイケメンさん。
といっても大神カチョーとはまた違った、茶髪パーマの軽~い雰囲気。

服装もかなりカジュアルで…

「え、店員サンいくつ?え、まだ女子大生。うっわ~現役。マジで~?」

見たまんまのナンパ野郎だ。

言いながらスマートフォンを取り出して、もう連絡先を交換している。

どうして私の周りには、こんな男しかいないんだろう…
< 74 / 269 >

この作品をシェア

pagetop