恋のルール教えて下さい ~憧れの課長と大人の恋~
恋にルールがあればいいのに


全身がしびれてしまったみたいに動けない。


「か、葛城さん?何してるんですか!!」

声を出して勢いを付けて、彼の腕を振りほどいた。

「ごめん。真梨香とのこと、何とかする。
だから、俺のこと拒絶するのだけは止めてくれ」

彼は、私を抱きしめたまま言う。


「すみません。私、仕事に戻りますから」
彼は、私を離そうとしない。

「気持ちは変わってない。君に対しては、俺、本当のこと言ってる。
それだけは分かって」

「あなたにそんなこと言われても、真面目に聞けるわけないじゃないですか。失礼します」

彼の胸を思い切り押した。

はずみで葛城さんの腕が緩んだすきに、私は、彼を置いて経理課のオフィスに戻った。

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