今日も来ない、きみを待ってる。
ーエピローグー きみが残した、心の傷痕。
彼とさようならをして、4年の月日が流れた。
彼とはあれから会っていない。

いまでもふと、彼のことを思い出すことがある。
初めての恋は、ずっと私の心に傷痕のように残っている。

今でも誰かを待つのが怖い。
完全にトラウマのように残ってしまっている。

でも、彼と出会ったことを後悔したことはない。
彼との日々があったから、今の私があると思っているから。

「るいお待たせ。待った?」

彼がいつもの白シャツ姿で現れると、私はにっこりと微笑む。

「ううん、そんなに待ってないよ」

私は残りのブラック珈琲を一気に飲みほす。
苦い味が私の舌を通り抜けていく。

今の彼とは大学で知り合い、一年ほど前から付き合っている。
優しくてとても気が合い、一緒に居るのが楽しい。
そんな人だった。

「じゃあ行こうか」

「うん」

彼は左手を差し出し、私はその手をとる。
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