今日も朝、ドラゴンが海に出ているのを階段で眺める。
最近は朝でも帽子や長袖の上着が欠かせないくらい春の陽射しが強くなってきた。
日に焼けないように、しっかり帽子をかぶる。
ドラゴンは時折私に手を振ってくれ、私も手を振り返す。

一緒に部屋に戻ると、朝ごはんをゆっくり食べ、
部屋に戻って、ベットで抱き合ったり、のんびりしたりして、
ゆっくり過ごしてから、午後店に出る。

私はドルチェの用意をして、
ドラゴンは仕入れた食材やお酒をを受け取ったり、事務仕事をする。
タイガさんが本日のメニューに合わせて、キッチンに入り、
アシスタントのシェフもやって来る。

ドラゴンが今日のメインメニューを黒板に書き出し
出勤してきた、フロアのバイトの子達と、
店の掃除をし、(ドラゴンは結構きれい好き。)
新しい白いシャツに黒のパンツの店の制服に着替える。


午後5時。
「Dragon & Tiger」の開店だ。


低くかけられたボサノバ、
キッチンからは、美味しそうないい匂いが流れてくる。
楽しそうにおしゃべりしながら、お客さんがやって来て、
「いらっしゃいませ。」
と言う、低く通るドラゴンの声と、フロアの男の子の声が重なる。

私が冷えたコップにレモンの香りをつけた氷水を入れて、
カウンターの内側で用意すると、
笑顔のドラゴンは私を引き寄せ
「サクラ、今日も愛してる。」と囁いてから、
私をフロアに送り出す。

私はとびきりの笑顔で、
「いらっしゃいませ。」
とお客さんの前に出ることができる。

今日も、明日も、
これからもずっと
ドラゴンの笑顔のある場所が
私の居場所。
大切な、
私の生きていく場所だ。

〜fin 〜