ほとんど眠れなくて、朝起きたら、浅羽くんはいなかった。


リビングのテーブルの上には、夜には無かった朝食がラップをかけて置いてあったから、あの後一度帰ってきたのだろう。

母の遺影のそばには、湯気が消えかけたお茶。


きっと、怒っているのに。

嫌われたはずなのに。

それでも、優しい人。


私なんか、もっと突き放してくれていいのに。

胸が痛くなる。

泣いたせいで、まぶたが腫れたのだろうか。

視界がせまい。


「おはよう、ママ……」


力なく、母にあいさつをする。


「もう、ここにはいられないよね……」

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