あの頃、きみと陽だまりで
9.君という花







大きな悲しみが、喪失感が心を覆う。

力が抜けて、体は波にのまれて、水が肺に入り込んでいく。



苦しいよ、新太

助けて



そう叫ぶように願うのに、心のどこかではちゃんとわかってる。

もう彼とは、会えないこと。



まるで体に魂がかえっていくように、全身に重みがずしりと感じられた。







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