溺愛ドクターに求愛されて

運命の人、最善の人

「え、何それすごい。絶対運命じゃない」


越川先生との思いがけない再会から数日後の夜勤で、仕事が一段落してから井上さんに弘樹の事と越川先生との京都での事を話すと目を丸くした井上さんがそう言った。


「にしても、へえー、仲村先生浮気したんだ。しかも岸本とね……へえー」


井上さんがそう言いながら私がおみやげに買ってきた八つ橋を口にいれる。


「やっぱり仲村先生ごときに大谷はもったいなかったわ。あの男、調子に乗りやがって」


うわ、井上さん怒ってる。目が怖い。


「別れて正解よ、あんな男。にしても越川先生、やっぱりいいわね。もうやっちゃってるっていうのが意外だけど……大谷も嫌じゃなかったんでしょ? じゃないと無理よね、大谷は」


井上さんの言葉に私は頷く。越川先生としちゃった事、特に後悔はしてないし、全然嫌とか思わなかった。


それに、今までのは何だったんだろうってくらい気持ちが良くて溺れちゃいそうだった。