同期と同居~彼の溺愛中枢が壊れるまで~
溺愛level3*同居のはじまり








『……二人して遅刻ってどういうことかな?』


吉沢部長が怒っている。

いつも通りのニコニコ笑顔のようで、目が笑っていない。


『……すみません。難波が“もう一回”ってせがむもので』

『比留川くん、な、なに言ってるの!?』


上司に怒られてる時に、そんな冗談、しかも下ネタかましちゃダメでしょう!

ほら、部長がため息ついて呆れてる……!


『ふたりのプライベートは自由にすればいい。だけど、昇進の話は白紙だな』


そ、そんなぁ……!

こんなん、何かの間違いじゃ! どねぇしょう……!








「比留川くん! もう一度部長に謝りに……っ!」


そんな自分の大声で、私は目を覚ました。

あ、れ……? ここ、会社じゃない……。

上半身を起こして目をぱちぱちと瞬かせ、周囲を観察する。

無垢板のフローリング、濃いブルーのラグ、鮮やかな緑の観葉植物、白い壁に立てかけてあるサーフボード。

そんな爽やかなマリンテイストの部屋のなか、私が今いるのはベッドの上……で、なにやら身体がスースーするような。

首を左右に動かすと、肩が丸出しになっている。
ふいにいやな予感を抱いて、胸元の掛け布団をちらっとめくった。

ブラがない……まさか下も?

おおう、履いてない。……なぜ。


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