ヤンキー上司との恋はお祭りの夜に
一夜明ければ現実
日曜日の朝、目覚めると午前11時。


「うわっ。サイアク。半日ムダにした…」


疲れきってたのかもしれない。
昨夜はスゴく燥いでしまったから。


「あーあ…」


ゴソゴソと起きだす。
ぼんやりとした頭を抱え、膝を立てた姿勢でストップ。


昨夜は谷口と一緒に、合計で3回メリーゴーランドに乗った。
最初は1回でやめようと思ったんだけどーー



『頼む!もう一度だけ乗らせて!』


お金を支払うのは私だからか、スゴく申し訳なさそうな顔をされた。


『いいよ。チケット残ってるし、私も乗るから』


入園してすぐのチケット売り場で6枚綴り3000円のチケットを購入した。
余らせても仕方がなかったから丁度いいと思った。


『ねぇ、折角だから2回連続して乗らない?』


使いきるつもりで聞いた。
谷口は『いいな』と快諾して、二人でどれに乗るかを決めてた時ーー。


『ホタル来いよ!』


手招きされて向かうと、谷口がひょいと私の体を持ち上げた。


『なっ…!』


にをするんだ、何を!


『これに乗って。俺、隣な』


黒い馬の背中にお尻を着けられた。
隣には白い馬のがあり、谷口はヒョイとそれに跨った。


『あ、あのねぇ…!』


私はもっと慎重に選びたかったのに…なんて、反論することもできずに音楽が始まる。



『キャッ!』


横向きに乗ったことないから落っこちそうになった。


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