潮風とともに


大阪行き案内のアナウンスが流れる。

その瞬間、ピタッと四人の話声がやんだ。


「行かなきゃね、、、」

美穂が私の手をギュッと握りしめた。

私は頷いて波瑠を見上げる。


波瑠は優しく微笑んで頭を撫でてくれると、そのまま頬にふれ、顎に手がかかると、軽くキスをしてくれた。


「……愛してる。」


「っ!うん、波瑠、愛してる。」



私たちがひとときの別れを惜しんでいると、

隣で二人も別れを惜しんでいた。


「さぁ、二人とも、時間がなくなるから、いっておいで」

弘人さんが優しく言った。


私たちは顔を見合わせて、荷物を持ってゲートに向かった。


ゲートの向こうに行けば、姿は見れなくなる。


通り抜ける瞬間、私は振り向いて波瑠を見つめた。


「Ko aloha makamae e ipo Nau Ko`u alohaッッ!!!!!」
 
 愛しくて大切なあなた。
   私の愛はあなたのもの。


波瑠は驚いた顔をしてから、泣き笑いのような顔になった。

意味は伝わらなくても、心は伝わったよね。


大きく手を降ってゲートをくぐった




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