潮風とともに



朝起きると、そこはベッドではなくソファー


「……んっ、、、、そっか、そのまま寝ちゃったんだ。」

私はふとてに握ったままのスマホをタッチしてつける。
時間は6時。

出勤までは余裕で時間があるな……



でも……


波瑠からの連絡はなかった。




電話もメールも。




波瑠……


どうしたんだろう。



この5か月

波瑠と連絡が取れなかった日は一日もないことに気がついて、なぜだか無性に不安になった。



情緒不安定になっているのか、涙が次から次へと出てくる。




「うぅ……うっ、波瑠……会いたい、、、」


私はソファーの上で踞るように膝を抱いた。



「怖い……こわいよ、、、波瑠……助けて……」



ずっと泣いていると、時間はすでに7時を指していて、私は慌てて洗面台に駆け込んだ。




うわ……ひどい顔。。。



メイクをしてる時間はなく、顔を洗うと髪をさっと結い上げて黒渕の眼鏡をかけた。



クローゼットから簡単にワンピースを着こんで、荷物を持つと慌てて家を飛び出した。


ふーっっ。


間に合うかな。


今日、打ち合わせがなくてよかった……





あっ、波瑠に電話しないと、、、



私は駅までの急ぐ道のりで波瑠に朝のモーニングコールをした。



数回のコール音の後、


「もしもし?」




……??だ……れ?


波瑠の電話にかけたはずなのに。。。
私はスマホに移る波瑠の名前を確認した。


「っあ、もしもし、あの、その電話は波瑠の電話ですよね?」


「っふふっ、そーよ?赤嶺波瑠のスマホ。
今彼隣で眠っているけど起こす??……瑠碧さん?」



「っん、、、だ……れ」


電話の向こうで波瑠の声が聞こえた。


私は息を飲んだ。


波瑠……??

どうして、、、
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