くじらがら。
未来の今

買ったばかりのコーヒーはまだ熱くて舌が火傷して気分が沈む。


はあ、と溜息をついて空を見上げるとそこには白い雲ではなく白いくじらが泳いでいておばあちゃんが生きていた年よりもずっと綺麗だ。


でもその分


ドンッ


「わっ!」


よそ見しすぎてぶつかることもされられません。


「っと、ごめんね?大丈夫?」


赤髪の人が私に話しかける


支えてくれたおかげで転ばなかった…よかったぁ。


「えと、大丈夫です!私こそすいません!」


赤髪さんの素敵な服には、なぜか新しいコーヒーのシミ……え。コーヒー?


「わああああ!!!すいません!服汚してしまって…」


「これくらい大丈夫!気にしないで!」


気にしないでって言われても汚してしまったからクリーニングくらいは…。


「クリーニング出します!!」


そう言うと「ほんとにいいから!…あ…じゃあ1つお願いしてもいいかな?」


どうや赤髪さんは私が譲らないのをわかった…らしい?
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