「知ってる?

人が人を忘れる順番って、声かららしーよ 」


あの日 幼なじみが何気なく言った言葉には

一体どんな想いが込められていたんだろうか。



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今でも私 覚えているよ。

口癖が「うるせぇ」だったこと。
気怠そうに私の後ろをついて歩く姿。

自転車の荷台の座り心地 広い背中
私の前髪を触る優しい手 泣きそうな横顔

口元のほくろ とびでた喉仏 笑うと消えちゃう目



そういうの全部 覚えているよ。



なのに 「奈央」って呼ぶ凛の声を

私はもう 思い出せない。



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「幼なじみ、やめよ」



引き返すにはあまりにも手遅れで

素直になるには時間が経ち過ぎていて



もう二度と戻らない関係だけど

私はもう一度だけ あの頃の空気を吸いたい。










苦しくて 愛おしくて

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幼馴染  切ない  年下  雨音モナ  純愛  片思い  年の差