苦しくて、愛おしくて





私が中学3年生のとき、ついに凛が1年生としてうちの学校に入学した。

初めて同じ校舎で過ごすことができるようになって、私は恥ずかしさと嬉しさがごっちゃになった気持ちに、暫くは毎日ソワソワしていた。


凛はブカブカの学ラン姿で私に

「俺ぜったい奈央よりもおっきくなるよ」

そう宣戦布告したよね、覚えてる?


私はそのときすでに160センチ。

クラスの男子と混じっても違和感のない身長だった。



そして奴はあろうことかバスケ部に所属した。

私は中2の夏ごろから部に戻りだし、まあなんとか距離感を持ちながら上手くやれていた。


いじめはとっくに沈静化し、クラスにも友達がたくさんできた。

私をいじめていた連中は、グレて学校をサボるようになっていた。



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