保育士のたまご
夢ってみんなある?将来なりたいことは?
高校3年生になるまで夢なんてなかった。なりたい!と思ってもそれは一時的なもので、絶対なりたいなんてもの見つからなかった。
中1から高3まで吹奏楽に夢中。朝から晩まで休みなんてない。毎日毎日学校行っては大好きな楽器を吹いてた。音楽の道に進みたい!、、なんて思ったこともあったけど現実はそう甘くない。
高3になって初めてわかったこと。それはみんな目標に向かって頑張ってること。夢を持ってること。もしかして、夢が見つかってないのって私だけ。。。?なりたいことなんて分からない。何になりたいんだろう
そんな時、部活で幼稚園からの依頼が来た。
「生の楽器演奏を小さい子供達に聞かせてあげたい」園長先生からの依頼だった。
ただ吹いてるだけじゃ園児は飽きちゃうかな、どんな曲吹けばいいんだろってみんなで考えてパート紹介で童話を吹いたり、楽器クイズをしたり、楽器演奏と一緒に踊る曲を取り入れたり、試行錯誤して沢山練習した。絶対笑顔でいること、これだけはわすれないように。

本番当日 不安でいっぱいだったけど楽しみでもあった。とにかく楽しんで演奏しよう、そうして迎えた本番。入場すると同時にわぁーっという子ども達の声が聞こえた。あの楽器なんだろう、この楽器はどんな音が出るんだろう、歓声とともに不思議な顔でみんな見ている。いざ演奏すると、手拍子や一緒に歌ってくれる子が沢山いた。踊りも「これ知ってる!」と一緒に踊って、楽しんでくれた。あっという間に時間は過ぎ、いつの間にか歓声と拍手で幕が閉じた。子供は素直だ。好きなら好き、嫌いなら嫌いと顔を見ただけで分かってしまう。いつの間にかこの場は、キラキラした子供達の顔でいっぱいになっていた。
単純に嬉しくて、もっとこういう表情を沢山見たいと思った。自分がなりたいものってこういうものかもしれない。そう!これだよ!
そこからは進路が決まるのがすぐだった。私の高校は偶然にも姉妹校に保育科の短大があった。よし、そこに決めた!
そして面接を受けて夏には進学が決まった。
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