恋色流星群

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アヤちゃんに葵ちゃん。
お店のお姉さま方に、ボーイくんたち。
サタンと、その手下だったカナちゃん。笑

久しぶりに会いたくなった、ママにも。





お土産は買い始めると止まらなくて、予想外に時間と体力を使ってしまった。

ホテルが見える。両腕に荷物を引きずる私を、フロントの男の子が慌てて助けに来てくれた。



部屋に運んでおいてあげるという優しい言葉に、「thank you♡」と告げ一息つく。

危なかった。。腕、けっこう限界だった。




だいぶ汗もかいちゃった。

瀬名ちゃんもそろそろ来そうだし、部屋に戻ったらシャワー浴びておこう。




熱、また出てきたかなぁ。ちょっとだるいかも。
けど仕方なかった、明日帰国で時間がないもん。

お土産なしでは帰れない。

少しだけフロントのソファーで英気を養って。よしっと立ち上がってエレベーターに向かった。





ここ3日間の住まいだった最上階。
初日は泣くほどの夜景で、私を迎えてくれた。寂しいな、今夜でお別れ。



ふと、部屋に向かう廊下の窓から見えた空に。虹がかかっているのが見えた。



うわあ・・・

あんな大きな虹見たことない!


障害になる建物がなくて空が広いから?

思わず、見入る。ハワイと虹って、なんでこんなに似合うんだろう。






きれいすぎる・・・

癒される・・・













次の、瞬間。







後ろから肩に回された

固いしなやかな腕。



首に埋まる、

唇の気配。






左手首のクロムハーツに

右腕の内側のほくろ。








「やっといた・・・」






右耳にかかる、掠れた熱い声。






背中越しに感じる鼓動の主は






私と同じ香水の香り。

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