臨時社長秘書は今日も巻き込まれてます!
いろいろとやめます。
*****
月曜日に、以前の通りに秘書課へ出社すると、春日井さんが近づいてきた。
「西澤さん。指輪していないの?」
綺麗な顔を真面目にさせて、まじまじと私の右手を見つめている。
「春日井さんにとってはいいんじゃないの? つまり、そういう事なんだから」
右手をヒラヒラさせながら自分の席に向かうと、何故か新鮮な気分がする。
正確には“久しぶり”なはずなんだけど、ちょっと不思議だな。
「しかも服装がいきなり戻って、また野暮ったくなってるんじゃない。西澤さんは紺と黒と茶系が好きなの?」
いや。好きなわけじゃないし、今日は確かに茶系のスーツだけど……。
春日井さんのデスクは向こうなのに、どうしてついてきてるんだろう?
「季節はもう秋になりますし……おかしくはないでしょう?」
「おかしいと思うのよ」
あっさり断言されて、目を見開いた。
「女は男がいなくてもお洒落を楽しむべきよ。それに、自分のために女が着飾っていると勘違いしている男なんて絶滅すべきよ」
……どうしたどうした、ミスクイーン春日井。
「何かあったの?」
「先々週、痴漢にあったのよ!」
くわっと口を開いた春日井さんの勢いに押されて、思わず椅子に座り込んだ。
「もちろん爪で引っ掻いて、捕まえてやったんだけど、駅員に取り押さえられた男がなんて言ったと思う?」
「わ、わからないけど」
「そんな派手な格好してたら、誘ってるのも同然だって言うのよ!」
それは……ご愁傷様です。
月曜日に、以前の通りに秘書課へ出社すると、春日井さんが近づいてきた。
「西澤さん。指輪していないの?」
綺麗な顔を真面目にさせて、まじまじと私の右手を見つめている。
「春日井さんにとってはいいんじゃないの? つまり、そういう事なんだから」
右手をヒラヒラさせながら自分の席に向かうと、何故か新鮮な気分がする。
正確には“久しぶり”なはずなんだけど、ちょっと不思議だな。
「しかも服装がいきなり戻って、また野暮ったくなってるんじゃない。西澤さんは紺と黒と茶系が好きなの?」
いや。好きなわけじゃないし、今日は確かに茶系のスーツだけど……。
春日井さんのデスクは向こうなのに、どうしてついてきてるんだろう?
「季節はもう秋になりますし……おかしくはないでしょう?」
「おかしいと思うのよ」
あっさり断言されて、目を見開いた。
「女は男がいなくてもお洒落を楽しむべきよ。それに、自分のために女が着飾っていると勘違いしている男なんて絶滅すべきよ」
……どうしたどうした、ミスクイーン春日井。
「何かあったの?」
「先々週、痴漢にあったのよ!」
くわっと口を開いた春日井さんの勢いに押されて、思わず椅子に座り込んだ。
「もちろん爪で引っ掻いて、捕まえてやったんだけど、駅員に取り押さえられた男がなんて言ったと思う?」
「わ、わからないけど」
「そんな派手な格好してたら、誘ってるのも同然だって言うのよ!」
それは……ご愁傷様です。