それから2時間あまり。

先に控え室に引き上げたあたしの元へ副社長がやってきた。

他の関係者は既に引き上げており、シーンと静まり返っているその場所。

「…お疲れ様でした‼︎あれ、絢音さんは…?」

「中で響と話してる」

「…そうでしたか」

「…ああ」

やっぱり副社長はどこか不機嫌で目を合わせてもくれない。

「…副社長本当に今日は勝手な事をしてしまい申し訳ありませんでした。今後はこういう事がないようにしていき……」

「響とイチャつきすぎ。お前、隙見せすぎだっての‼︎」

「へぇ⁉︎」

突然、ぐいっと副社長に引かれた腕にあたしはバランスを崩して前のめりになって。

気がつけばそのまま副社長の腕の中にいた。

「ふ、副社長…⁉︎」

「…新寺、お前は東堂ホールディングスの副社長の第1秘書なんだぞ?もっと凛としてろ。誰彼構わず笑顔振りまいてんじゃねーよ」

「…えっと、はい。すみません」

「つーか…あんまり焼かせんな、バカ」

副社長の腕の中で戸惑うあたしに副社長のどこか切なげな声が届いた。

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