それから数日が過ぎた。

あんな一方的な態度を取ってしまった事を後悔しながら出社した休み明け。

副社長は何事もなかったかのようにあたしに接してきた。

だからあたしも平静を装い、副社長と接しているのだがやっぱり何処かぎこちなさは否めない。

あの日の話は一切していない。

あたしをからかったりもしない。

淡々と仕事の会話をするだけの副社長とあたし。

でもこれでいいんだと自分自身に言い聞かせる。

これがみんなが傷つかずに済む方法なんだから。

ずっと、ずっとこんな生活が続いていくものだと思っていた。

だけど。

転機は突然、訪れる事になる。

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深呼吸をしてトントンとドアをノックしたあたし。

「はい」

「新寺です…」

「入りたまえ…」

それは突然の事だった。

出社してすぐに呼び出しがあり、あたしが向かった先は社長室だった。

一体どうしたというのだろうか?

少し身構えながら目の前のソファーに座る社長の言葉を待つあたし。

なんとなくだけど、嫌な予感がした。

こういうのを直感っていうかな?

「単刀直入に聞くが…」

「…はい」

「新寺くんはうちの隼人と付き合っているのかね?」

「…えっ?」

思わず、社長の言葉に言葉を失った。

その動揺はあたしの表情にも出ていたらしい。

動揺するあたしの前に差し出されたのは、副社長と並んで副社長のマンションを出てくる時に撮られたであろう写真。

そして、あたしを抱き寄せたあの日の写真。

「…絢音くんが私に泣きついてきてね。新寺くんが隼人を誑かして困ると」

「あ、やねさんが…?」

「半信半疑だったが…興信所を使って調べさせたら…こんな写真を見せられてね」

「……」

頭に浮かんだのはぞっとするくらいの絢音さんのあの冷酷な笑み。

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