この胸いっぱいの好きを、永遠に忘れないから。
Prologue


【ジュエリー・ヨコヤマ】



「いらっしゃいませー」







「あ……あの……、あそこに飾ってあった指輪、欲しいんですけど……」








柏木 緋沙(かしわぎ ひさ)

15歳。




勉強も好きじゃないし、スポーツも出来ない。


得意なこと……そう聞かれても答えられない。


なんの取り柄も無く、友達みたいに好きな人がいて、恋愛の話に沸いて、メイクやファッションに興味も持てない。


かといって、地味ってわけでもない。

ごく普通の中学生。





なのに……両親の母校だからと受験させられた名門高校。


私なんかに合格出来るはずがない……そう弱気な気持ちで、毎日の受験勉強を嫌々してた……。









そんな毎日がそう_____。







あの時、一目惚れしなければ、






きっと、あなたにも出会えなかった。






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